【概要】
老舗の非鉄製錬会社。環境・リサイクル、電子材料、金属加工、熱処理へと展開。金属回収技術や取扱金属の豊富さが強み。
【注目点と業績】
DOWAはかつて鉱山事業の不振で経営危機に陥ったが、廃棄物として扱われていた「黒鉱」と呼ばれる複雑硫化鉱から有価金属を回収する技術を独自開発し収益化することで復活した。その経験をもとに、現在では金属の生産から高付加価値製品の製造、廃棄物処理・リサイクルに至る独自の循環型事業を展開。外部環境の変化に強い事業ポートフォリオを構築している。バイオガス発電プラントやリチウムイオン電池の無害化処理など新規事業の拡大も注目材料だ。22年3月期は廃棄物市場が国内、東南アジアともに堅調。自動車シュレッダーダストや廃家電の集荷環境は良好とみられる。製錬部門はロス・ガトス鉱山が通期で黒字化見通し。自動車関連製品・サービスの需要回復も見込まれ、会社側では営業利益が前年同期比17.5%増の440億円になると予想している。
【低PER】
株価は心理的節目の5000円が抵抗線となり、上昇一服だが、予想PERは10倍前後と割高感はない。業績面で重荷となっていた持分法適用会社の藤田観光(9722)の構造改革が進展。コロナ禍による最悪期を脱しつつあることもDOWA株の見直し要因となりそうだ。
※本記事は今後必要に応じてアップデートします。
(コータロー)