三井倉庫ホールディングス(9302)

銘柄研究

【概要】

三井グループの物流企業。倉庫、国際輸送のほか、物流管理サービスや3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)も手掛ける。土地の含み資産が多く、不動産賃貸事業も収益源。

【注目点と業績】

物流事業の環境改善が続いている。巣ごもり消費拡大に伴う荷動きの増加に加え、メーカーの生産回復に伴う各種原材料の調達物流や自動車関連航空輸送も底堅い。同社はソニー系やトヨタ系の物流関係会社をM&Aにより国際物流を強化した。海上コンテナ不足により海上輸送から航空輸送にシフトする動きが出ていることも追い風で、収益力は業界トップ水準まで上昇している。足元ではメディカル系の需要も拡大の兆しだ。昨年6月に医療用・細菌検査用の機器等を製造販売する日本ベクトン・ディッキンソンと医療用機器の輸入販売を行うメディコンから日本国内での物流業務を一括受託した。これに伴いヘルスケア事業専用物流施設「関東P&MセンターⅡ」を新設。高付加価値のメディカル系事業が拡大する見込みだ。22年3月期は巣ごもり消費一服で利益足踏みとなっても、翌期以降は再び増益基調に戻ると予想される。

【財務】

M&Aで悪化した財務体質の改善が当面の課題となっている。このため有利子負債の圧縮が優先され、配当は抑制されている印象だが、財務体質の改善が進めば増配も期待できそう。PERは22年3月期予想ベースで7~8倍程度と割安感がある。

※本記事は今後必要に応じてアップデートします。

(コータロー)

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